さまざまな仕事の中でも介護職は離職率が高い傾向がありますが、これは介護の仕事に抱く理想が現実とは大きくかい離しているのが理由です。介護職は、非常に多忙で十分な休みを取ることすら困難です。人手不足でもあることから、人を集めるために明るく朗らかなイメージの広告が多数作られています。そのような広告の内容を信じてしまい、理想の職場と見なして仕事に就く人は後を絶ちません。しかし、いざ現場に立つと抱いていた理想と目の前の現実が大きくかい離していことを嫌でも実感させられます。介護職員の足腰に貼られたいくつものシップや汚物処理の作業を見てショックを受け、逃げるように辞めるケースも少なくありません。

宣伝広告によって誤ったイメージを抱いてしまう人は一定数存在しますが、離職率の増大に繋がるにも関わらず、介護業界は明るく朗らかなイメージの広告作りを続けています。これは介護業界が慢性的な人手不足であり、短期間であっても人を増やしたいという切実な状況なのが大きな理由です。多くの介護施設は必要な人員が足りていない状況であり、ひとりが複数の仕事を同時にこなしているのが現状です。明るいイメージの広告で多くの人を呼び寄せ、その中からわずかでも定着してもらえれば御の字、という状況に追い込まれている介護施設も決して少数ではありません。しかし、広告によって介護職に却って悪いイメージが付いてしまう問題もあり、人手不足の解消とイメージの向上は両立が困難な状況に陥っています。